エッセイ

点から線へ

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運命、と聞いてどう思うだろう。運命の人、運命の出会い、運命の瞬間など、さも過去の時点から転機となる瞬間や出会いが決まっていた、かのように使われることが多いこの言葉。その瞬間が起きなければ、それは運命ではないのだろうか。筆者はこう考える。運命という言葉にはなんの意味もなく、今が過ぎていく瞬間瞬間を運命と呼ぶ。

つまり、運命の人と出会うことは運命だし、運命の人と出会わないことも運命だと思う。

少しややこしくなってきたと思う。先ほどの文章では、運命という言葉が2度使われているからややこしいが、別の言葉に置き換えるとわかりやすい。「運命の人」というのを「恋人」に置き換えてみると、

恋人と出会うことは運命だし、恋人と出会わないことも運命。

結局、運命という言葉自体の響きが美しくポジティブな事象が起きた時に使われがちだが、今が過ぎた瞬間、のことを運命と呼ぶのだと考える。僕がこうしてこの文章を書いているのだって運命だし、今この瞬間にこの文章を読んでいるのも運命。決して「運命」という概念自体への否定があるわけではなく、運命に大小はあれど僕自身、今までの歩んできた人生は運命だし、これからの人生にも運命は存在する。起きた事象に対する言葉が運命なのだから。要するに「今」という運命の連続が人生なのだ。死にいたったときまで離れることはないだろう。

さて、ここからは僕のちょっとした大きな運命について話していこうと思う。結局、運命とは過去に起きたことに対する後出しの言葉だから、これから話す内容はただただ僕の過去の話となる(笑)

僕は高校を卒業してから車会社に就職した。兄が車会社に入っていたこともあり、とりあえず入っとけば安定でしょ、という安易な考えだった。安定という理由だけ入ったので別にその仕事が好きとかはなく、淡々と作業をこなすだけだったので、数年働いているうちに「このまま40年以上もここで働くのかな、働けるのかな」と思った。この先40年以上も仕事をするのであれば自分の好きなこと、もしくは苦じゃないことを仕事にしたいと思い、車会社で働きながらも今の自分にできることを探し始めた。

そこで出会ったのがブログ。もともと本を読むのが好きだったので文章に触れる機会は多く、書く手に回ったことはなかったものの続けているうちに慣れてきた。文章を書くこと自体にも、好きという感情はないものの決して苦しさを感じることはなかった。当時、ブログで生活している人もいたので「夢あるなぁ」と思いつつ、僕はそこまでの才能と努力がなかったので特に目に見えてわかる実績は残せなかった。ブログを書いて1,2年経ってから自分のポートフォリオもできたことだし、と思いブログを活かしたWEB関係の会社に転職しようと考えたが、それだけでは心細いと思ったのと、昔から憧れていた海外留学をしたい、と思ったので4年勤めた会社を辞めて海外に飛び立った。

海外では英語のほかにWEBマーケティングについても学んだ。実績こそついたものの中身としては大したことはなく、学校での授業は割と自分がやってきたこと、知っている内容が多く知識・技術的な進歩はあまりなかった。別にこれがしたい、という願望もなかったので留学を続ける選択肢もあったが、漠然とWEBマーケティングの仕事に就くのが一番かなぁと思っていたので、そのまま留学を終えWEBマーケティングの会社に就職。そして、現在に至るまでWEBマーケティングのお仕事を続けている。ちなみに今の会社はとても気に入っている。

こうして、過去の自分を振り返ってみると運命だったなと思うことが点々とあり、それが今に至って線へと繋がったなと思う。初めはブログに出会ったことで文章を書くということを学び、留学こそ知識や技術的な成果こそ少なかったものの英語とWEBマーケティングを学んだという称号を手に入れた。

そして現在のWEBマーケティング会社への就職だが、ブログと英語とWEBマーケティングの実績を持ってして内定をいただけた。現在の会社でもマーケティングなので「言葉」を考える機会が多く、ブログによって培ったことが今になって芽になったなと。そしてたった今、次なるステージ「文章を書く」ということをしている。思えば、留学をしていなければ、ブログを書いていなければ今の会社に入れていなかったかもしれないし、そもそも車会社に入っていなければブログや留学という道に出会っていなかったかもしれない。

運命にはインパクトの大きさによって大小があるのかもしれないけど、全てが運命でつながっているのだなと。今まで歩んできたことが巡り巡って今につながって、こうして文章を届けられている。これこそまさに運命ではないだろうか。

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まえぷログ
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