エッセイ

作家と本屋としてデビューを決めた感想

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かなり珍しい?経験をした。

なんと、自分が本屋さんになり、作家としてデビューを決めたのだ!!(ドンっ)

こう書くとものすごく大袈裟に聞こえる(大袈裟に言ってるのだが)、実は地元でブックマーケットという本を出展するイベントに、自分が書いた本で参加させていただいた。まさか自分の夢である「本を出版すること」と「本屋さんに並べられているのを目にすること」の2つが同時に叶う日が来るとは思ってもみなかった。(まぁ自分で書いて自分で出してるので当たり前なのだが笑)

それでもこの高揚感は、他では味わえない。カナダへ飛び立った日とも、会社を辞めると上司に伝えた瞬間とも、兄の結婚式に参加した日とも違う感覚。手にとってもらった瞬間と言えばもう快楽に近い。実際に自分の本によって手にしたお金の重厚感は、マジやばい。語彙力を失ってしまうし、なんなら涙が出そうになった。僕、アニメの名シーンでしか泣いたことないのに。

結局ネットの世界で生きるのであれば数値がものを言うと思う。今回を例に挙げれば何冊売れていくらの売り上げになったか。実績とはそういった数値に縛られたもので、ネットではそこでしか評価をすることが難しい。もちろん、これで生計を立てていくぜ!という意気込みなのであれば、生活するためにはお金が欠かせないので数値という見える形の成果が必要である。ただ、成果という大きな括りで見てみると数値だけでは表せないものもあると考える。それは、10度を下回る寒い気温の中、ジンジンと温まるくらいに肌に沁みた。例え目に見えぬ形であろうが、“繋がり”という人と人との心に大きな灯を照らす聖火と言えるだろう。

正直な話、経験してみたいという好奇心で参加させていただいた今回のイベントだったので、100冊の本とテーブル、寂しさを紛らわすための手作りPOPといった、軽い気持ちで望んでしまった。でも来てくれた、手に取ってくださったお客さんに対して、こんな雑なただ本を売る場を設けただけのスペースを提供してしまい申し訳ない気持ちが芽生えた。自分目当てではないにしろ足を運んでくださったお客さんに対して、一人の出店者として責任感の薄さ。まさに自分しか見えていない状態だった。それでもなお手にとってくださるお客さんもいらっしゃり、それはもうこの上ない感謝の気持ちと共に、このままではお客さんに申し訳ないので、もしまた出店の機会があるのであれば自分のためではなくお客さんのために全力を尽くしたい。こう感じることができたのも、一種の成果だと思う。

加えて感じたこととして、直接自分の手から本をお渡しさせていただいて、ネットでのワンクリックとの重量差。自分で生んだ我が子を届けているので当たり前といえば当たり前なのだが、手に取ってくださる方に直接お渡しするオフラインでしか味わうことのできない「いってらっしゃい」と言わんばかりの想い。知名度のかけらもない現状なのでしばらくこのままのスタイルで良いとは思うが、実は数人の方から今日以外で購入する手段はないのか、という意見をいただいたのも事実。わざわざ口に出して聞いてくださったのだから、本当に必要としているのがビシビシと伝わってきた。売り上げというのを考えるのであればやらないという選択肢はないのだろうが、そこを目的としているわけではないので経営の難しさ、自身の気持ちと生活する上での手段のバランスが絶妙というのもちょびっと感じた。必要としている方には申し訳ないが、すぐに答えは出ないのでもう少し様子を見ながら判断していこう、というボヤきであった。

趣味で本を書いて、興味本位で出店させていただいた今回のイベント。大きな成果をあげたとともに今後の人生を変える大きな一歩を踏み出せたので、まずはこのような機会をくださった主催者さんに感謝の気持ちを述べたい。そして簡素なおもてなししかできない自分しか見えていなかった僕の本を手に取ってくださったお客さんの方々にも声を大きくして感謝の気持ちを述べたい。本当にありがとうございました。。。

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まえぷログ
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